
2001年に登場した「ゲームボーイアドバンス(GBA)」は、携帯ゲーム機として圧倒的な人気を誇った名ハードです。
高性能CPUによるスーパーファミコン級のグラフィック、通信ケーブルを使った対戦・交換機能、そして名作シリーズの続編が数多く登場しました。
この記事では、日本国内で特に売れたGBAソフトTOP10をランキング形式で紹介します。
当時のヒット作を振り返りながら、時代を象徴する人気シリーズを見ていきましょう。
1位:ポケットモンスター ルビー・サファイア(約544万本/2002年/任天堂・ポケモン)
GBA世代のポケモンを代表する第3世代作品。
ホウエン地方を舞台に、グラフィックとBGMが大幅に進化。特性・ダブルバトルなど、現在のポケモンバトルの基礎がこの作品で確立しました。
通信ケーブルを使った対戦・交換文化も引き続き健在で、GBA普及を後押しした立役者です。
2位:ポケットモンスター ファイアレッド・リーフグリーン(約316万本/2004年/任天堂・ポケモン)
初代『赤・緑』のリメイク作品として登場。
原点のシナリオに新マップや「ワイヤレスアダプタ」を使った通信機能を追加し、GBAならではの快適性を実現しました。
懐かしさと新しさが融合した構成で、幅広い世代に人気を博しました。
3位:ポケットモンスター エメラルド(約231万本/2004年/任天堂・ポケモン)
『ルビー・サファイア』の完全版的作品であり、「バトルフロンティア」の追加が最大の特徴。
ストーリーも強化され、伝説ポケモン「レックウザ」が中心に描かれます。
シリーズ屈指の完成度を誇り、GBA版ポケモンの集大成ともいえる1本です。
4位:マリオカート アドバンス(約96万本/2001年/任天堂)
携帯機で初めて登場したマリオカートシリーズ。
スーファミ版のリメイクをベースにしながらも、新コースやアイテムを追加。
リンクケーブルを使った4人対戦は、当時の“持ち寄りマルチプレイ”文化を象徴する遊び方でした。
5位:スーパーマリオアドバンス(約83万本/2001年/任天堂)
『スーパーマリオUSA』の移植作に、アーケード版『マリオブラザーズ』を同梱した豪華仕様。
キャラクターの掛け声やグラフィックが一新され、携帯機でもしっかり遊べる完成度を実現。
シリーズ第1弾としてGBAのスタートを飾りました。
6位:スーパーマリオアドバンス2(スーパーマリオワールド)(約77万本/2001年/任天堂)
スーパーファミコンの名作『スーパーマリオワールド』をGBA向けに再構築。
ヨッシーと共に冒険できる広大なマップ、隠しコースの発見要素など、ボリューム満点の内容です。
携帯機で手軽に“本格マリオ”が楽しめると高評価を得ました。
7位:牧場物語 ミネラルタウンのなかまたち(約66万本/2003年/マーベラス)
牧場生活シミュレーションの人気作。
畑仕事・動物の世話・恋愛イベントなどを詰め込みつつ、グラフィックと操作性が進化。
穏やかなBGMと自由な生活スタイルで、女性層やライトユーザーにも支持を広げました。
8位:星のカービィ 鏡の大迷宮(約63万本/2004年/任天堂)
シリーズでも珍しい「メトロイド風探索型アクション」。
複数カービィを切り替えながら進む自由度の高い構成で、最大4人同時プレイにも対応。
可愛らしさとやり込み要素が融合したGBA後期の人気タイトルです。
9位:メイド イン ワリオ(約61万本/2003年/任天堂)
「5秒で終わる瞬間ゲーム」を次々とこなす革新的タイトル。
テンポの良さとバカバカしさで話題を呼び、“ミニゲーム文化”の礎を築きました。
その後も続編やWii版など、シリーズとして長く愛される原点です。
10位:ロックマンエグゼ2(約59万本/2001年/カプコン)
ネットワークとバトルを融合した人気シリーズの第2作。
システムが大幅に強化され、「バトルチップ」戦略性や通信対戦要素が進化しました。
ストーリー・音楽・テンポのバランスが絶妙で、GBAを代表するアクションRPGとして今なお評価が高い作品です。
【GBAソフト国内売上ランキングTOP10】
| 順位 | タイトル | 売上本数(万本) | 発売年 | ジャンル | 発売元 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1位 | ポケットモンスター ルビー・サファイア | 約544万本 | 2002年 | RPG | 任天堂/ポケモン |
| 2位 | ポケットモンスター ファイアレッド・リーフグリーン | 約316万本 | 2004年 | RPG | 任天堂/ポケモン |
| 3位 | ポケットモンスター エメラルド | 約231万本 | 2004年 | RPG | 任天堂/ポケモン |
| 4位 | マリオカート アドバンス | 約96万本 | 2001年 | レース | 任天堂 |
| 5位 | スーパーマリオアドバンス | 約83万本 | 2001年 | アクション | 任天堂 |
| 6位 | スーパーマリオアドバンス2(スーパーマリオワールド) | 約77万本 | 2001年 | アクション | 任天堂 |
| 7位 | 牧場物語 ミネラルタウンのなかまたち | 約66万本 | 2003年 | シミュレーション | マーベラス |
| 8位 | 星のカービィ 鏡の大迷宮 | 約63万本 | 2004年 | アクション | 任天堂 |
| 9位 | メイド イン ワリオ | 約61万本 | 2003年 | ミニゲーム | 任天堂 |
| 10位 | ロックマンエグゼ2 | 約59万本 | 2001年 | アクションRPG | カプコン |
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当時の名作ソフトを実機で楽しむなら、今でもゲームボーイアドバンス本体を入手する価値は十分あります。
特に「GBA SP」や「GBAミクロ」はデザイン性・携帯性の高さから、現在も中古市場で人気が高いモデルです。
現在は新品の生産こそ終了していますが、
Amazonや駿河屋・メルカリなどでは中古・再生品が豊富に流通しています。
バッテリー交換済みや液晶バックライト改造済みモデルなど、
より快適にプレイできるカスタムタイプも登場しています。
まとめ
GBAの売上ランキングを振り返ると、やはり任天堂とポケモンシリーズの強さが際立つ結果となりました。
『ルビー・サファイア』『ファイアレッド・リーフグリーン』『エメラルド』の3作で上位を独占し、
この時期に「携帯機の主役=ポケモン」という図式が完全に定着したといえます。
通信ケーブルを使った交換・対戦、友人同士の“持ち寄りプレイ文化”は、
GBA世代のゲーム体験を象徴するものでもありました。
一方で、マリオ・カービィ・ワリオといった定番キャラクターが安定して上位に入り続けたことも印象的です。
「スーパーマリオアドバンス」シリーズはSFCの名作を高画質で再現し、
いつでもどこでもマリオが遊べる時代を築きました。
『星のカービィ 鏡の大迷宮』では、GBA後期ならではの高い表現力と遊びの自由度を実現し、
アクションゲームとしての完成度をさらに高めています。
さらに注目したいのが、カプコンやマーベラスといったサードパーティーの健闘です。
『ロックマンエグゼ2』はアクションRPGという新たなジャンルを開拓し、
ネット社会の到来を先取りするようなテーマで当時の小学生層を熱狂させました。
『牧場物語 ミネラルタウンのなかまたち』は、
穏やかで自由な生活シミュレーションとして幅広い層に人気を博し、
「癒し系ゲーム」という新たな市場を切り開く存在にもなりました。
こうして見ると、GBAは単なる“携帯版スーファミ”ではなく、
シリーズのリメイクと新規進化が同時に花開いた世代であったことがわかります。
2D表現の完成度、通信プレイの手軽さ、そして多彩なジャンルの融合——
どれをとっても、現代の携帯ゲーム文化の礎を築いた重要な時代でした。
いま振り返っても、GBAのソフトラインナップは“黄金期”と呼ぶにふさわしい層の厚さです。
中古市場では今も名作タイトルが高い人気を保ち、
プレミア化するソフトも少なくありません。
まさに、GBAは「持ち歩ける名作図書館」のような存在として、
これからもゲーム史に残り続けるでしょう。







