
はじめに
映画のヒットを語るうえで欠かせないのが「興行収入」。
これは、映画館でのチケット売上総額を指し、作品がどれだけ多くの観客を魅了したかを示す重要な指標です。
『ドラゴンボール』シリーズは、1986年の初映画『ドラゴンボール 神龍の伝説』から始まり、TVアニメの人気とともに数多くの劇場版が制作されてきました。
時代を超えて愛され続ける理由の一つは、作品ごとに進化する映像クオリティと、悟空たちの新たな戦いが常にファンの期待を超えてきたことにあります。
本記事では、そんな映画『ドラゴンボール』シリーズの興行収入に注目し、各作品がどのようにヒットしてきたのか、その歴史と背景をランキング形式で紹介します。
興行収入とは?
映画の「興行収入(こうぎょうしゅうにゅう)」とは、映画館で観客がチケット代として支払った総額のこと。
つまり、観客が映画館で払ったお金の合計であり、映画の人気を測る最も代表的な数値です。
英語では Box Office Gross(ボックスオフィス・グロス) と呼ばれ、日本では税込金額(観客が実際に支払った額)で公表されます。
たとえば、2022年公開の『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』は、国内興行収入約26億円・全世界では約138億円を記録し、シリーズの中でも国際的な成功を収めました。
この数字は、ドラゴンボールというブランドが依然として世界中で高い人気を誇ることを示しています。
興行収入の内訳(配分構造)
映画館で得られた「興行収入」は、単純に映画会社の利益ではありません。
関係者間で以下のように分配されます。
| 項目 | 概要 | 割合(目安) |
|---|---|---|
| 映画館(劇場)取り分 | 設備費、人件費、運営コストなど | 約50% |
| 配給会社(ディストリビューター)取り分 | 宣伝・広告・上映調整など | 約35〜40% |
| 制作会社(製作委員会)取り分 | 実際に映画を作った企業群 | 約10〜15% |
※作品や契約内容により異なります。特に『ドラゴンボール』シリーズのような東映アニメーション主導の作品では、制作・配給を同社が一体で担うため、配分構造も独自です。
関連用語解説
① 配給収入(はいきゅうしゅうにゅう)
興行収入から映画館の取り分を差し引いた後に、配給会社が受け取る金額。
目安としては、興行収入の約50%前後。
例:興行収入100億円の映画 → 配給収入 約50億円
② 製作費(せいさくひ)
映画を作るためのコスト(人件費・作画・CG・アフレコ・宣伝など)。
『ドラゴンボール超 ブロリー』(2018年)はシリーズ最高クラスの映像制作費をかけたとされ、結果として世界興行収入135億円を突破する大ヒットを記録しました。
③ 販促・宣伝費
テレビCM、イベント、タイアップなどの宣伝にかかる費用。
たとえば「ブロリー」や「スーパーヒーロー」では、SNSキャンペーンや海外同時公開など、グローバル展開を意識した戦略も功を奏しました。
具体例
たとえば、2018年公開『ドラゴンボール超 ブロリー』の場合
| 項目 | 内容 | 金額(推定) |
|---|---|---|
| 興行収入 | 約135億円(全世界) | 売上総額 |
| 配給収入 | 約65億円前後 | 東映配給の取り分 |
| 映画館取り分 | 約60億円 | 各劇場収入 |
| 制作・製作委員会取り分 | 数十億円 | 東映アニメーションなど |
このように「135億円」といっても、それがそのまま利益ではなく、複数の関係者に分配される仕組みになっています。
興行収入まとめ
| 用語 | 内容 | 性質 |
|---|---|---|
| 興行収入 | 観客が払ったチケット代の総額 | 売上(全体) |
| 配給収入 | 興行収入から劇場の取り分を引いた額 | 配給側の収入 |
| 製作費 | 映画を作るための費用 | 支出 |
| 利益 | 配給収入 − 製作費 − 宣伝費 | 実際のもうけ |
ドラゴンボール映画の軌跡|興行収入が映す人気の進化
『ドラゴンボール』シリーズは、1980年代から現在まで約40年にわたり、劇場版21作品が制作されてきました。
初期はTVアニメの延長的な立ち位置でしたが、90年代後半には「ブロリー」「ジャネンバ」など伝説級の敵キャラが登場し、映画独自のスケールが拡大。
そして2010年代以降、『神と神』『復活の「F」』『ブロリー』『スーパーヒーロー』と、世界市場を意識した超高品質アニメーションへと進化しました。
興行収入の推移は、まさにドラゴンボールの時代ごとの人気変遷を映す鏡。
特に近年は、国内外のファン層が融合したことで、かつてない規模の興行を記録しています。
本記事では、そんなドラゴンボール映画の歴代興行収入ランキングを紹介し、各作品のヒット要因や時代背景、シリーズの成長を詳しく掘り下げていきます。
映画ドラゴンボール歴代興行収入ランキング
第1位 ドラゴンボール超 ブロリー(40億円/2018年)
あらすじ
かつて惑星ベジータが滅びた際、辺境の星に流されたサイヤ人・ブロリー。父パラガスの復讐心と共に育った彼は、フリーザ軍の策略により地球へと送り込まれる。悟空とベジータの前に立ちはだかったその男は、かつてない戦闘本能を秘めた「伝説の超サイヤ人」だった。激闘の果て、宇宙を揺るがすサイヤ人同士の闘いが始まる――。
見どころ
CGを融合した圧倒的な戦闘作画と、シリーズ最高クラスの迫力が魅力。旧映画版ブロリーの再構築によりキャラ設定が深化し、悲しみと宿命を背負った「もう一人のサイヤ人」として描かれる点も評価が高い。劇場版「超」シリーズの中で最も完成度が高い一本。
第2位 ドラゴンボールZ 復活の『F』(37.4億円/2015年)
あらすじ
かつて悟空に敗れたフリーザが、地獄からの復活を遂げた。彼は地球への報復のため、新たな軍勢を率いて襲来する。超サイヤ人ゴッドの力を手にした悟空とベジータが再び立ち上がるが、フリーザもまた恐るべき「ゴールデンフリーザ」へと進化していた――。
見どころ
鳥山明本人の完全監修によるストーリー構成。新フォーム「ゴールデンフリーザ」のデザインと、神の力を持つサイヤ人との激闘が見どころ。ギャグとシリアスのバランスが絶妙で、往年のファンも新世代も楽しめる構成。
第3位 ドラゴンボールZ 神と神(29.9億円/2013年)
あらすじ
破壊神ビルスが長い眠りから目覚め、「超サイヤ人ゴッド」の存在を求めて地球へ。悟空たちはその圧倒的な力の前に屈するが、仲間たちの力を結集し、伝説の「超サイヤ人ゴッド」へと覚醒する。神と神の戦いが、宇宙の未来を左右する――。
見どころ
「ドラゴンボール超」シリーズの起点となる作品。ビルスとウイスの初登場により、宇宙の神々という新たなスケールの戦いが幕を開けた。従来の「力だけではない」悟空の成長を描く物語としても重要。
第4位 ドラゴンボールZ 激突!!100億パワーの戦士たち(27.2億円/1992年)
あらすじ
宇宙の深淵で、悪の科学者がクウラのクローン軍団「メタルクウラ」を生み出す。悟空とベジータはナメック星で再び彼と激突。無数のメタルクウラに包囲される中、二人のサイヤ人が限界を超えて立ち向かう――。
見どころ
悟空とベジータが初めて共闘する劇場版。メタルクウラの群れとの連続バトルがシリーズ屈指のスピード感で描かれる。機械化された冷酷な敵と、肉体と精神の限界を突破するサイヤ人の対比が秀逸。
第5位 ドラゴンボールZ 極限バトル!!三大超サイヤ人(25.5億円/1992年)
あらすじ
ドクター・ゲロの研究所で新たに誕生した人造人間13号、14号、15号。悟空たちは南極での死闘に挑むが、合体した「スーパー13号」が凶悪なパワーを発揮。超サイヤ人たちの総力戦が繰り広げられる。
見どころ
悟空・ベジータ・トランクスの三大超サイヤ人が揃い踏みする豪華なバトル。氷雪の舞台で展開される肉弾戦の作画クオリティは、当時としては破格の完成度を誇る。
第6位 ドラゴンボール超 スーパーヒーロー(25.1億円/2022年)
あらすじ
かつて悟空に倒された「レッドリボン軍」が復活。天才科学者Dr.ヘドによって新たに生み出されたガンマ1号・2号が、地球を襲う。ピッコロと悟飯は新たな脅威に立ち向かうが、その裏では巨大な陰謀が動いていた――。
見どころ
完全3DCGによる新たな映像スタイルで描かれた意欲作。主人公は悟飯とピッコロで、師弟コンビの絆が物語の中心。原点回帰と新時代の融合がテーマで、世代を超えた感動が味わえる。
第7位 ドラゴンボールZ 危険なふたり!超戦士はねむれない(24.7億円/1994年)
あらすじ
地獄から蘇った伝説の超サイヤ人・ブロリーが再び地球に降臨。悟飯、悟天、トランクスが迎え撃つが、ブロリーの圧倒的な力に圧倒される。かつての父・悟空の想いを胸に、悟飯は立ち向かう。
見どころ
前作「燃えつきろ!!熱戦・烈戦・超激戦」から続くブロリー編第2弾。悟空不在の中で悟飯が主役を担うストーリー構成が新鮮。終盤の悟空との共鳴シーンはシリーズ屈指の名場面。
第8位 ドラゴンボールZ とびっきりの最強対最強(23.8億円/1991年)
あらすじ
宇宙の帝王フリーザの兄・クウラが地球を襲撃。悟空を弟の仇と狙い、圧倒的な力で立ちはだかる。ナメック星での死闘の再来となる戦いが始まる。
見どころ
「もしフリーザに兄がいたら?」という大胆な設定で話題に。クウラのクールなデザインと変身シーンの迫力はシリーズ中でも屈指。悟空の怒りと覚悟が燃える一作。
第9位 ドラゴンボールZ 燃えつきろ!!熱戦・烈戦・超激戦(23.3億円/1993年)
あらすじ
未知の惑星ヴェジータに招かれた悟空たちの前に現れた謎のサイヤ人・ブロリー。その圧倒的な戦闘力は悟空をも凌駕する。やがて明かされる過去の因縁、そして伝説の超サイヤ人との死闘が始まる。
見どころ
ブロリー初登場作にしてシリーズ屈指の人気を誇る名作。怒号と爆発が続く圧巻のバトル描写、そして「カカロットォ!」の名台詞はファンの記憶に残る。
第10位 ドラゴンボールZ 銀河ギリギリ!!ぶっちぎりの凄い奴(22.3億円/1993年)
あらすじ
天下一武道会が銀河規模で開催されることに。悟飯や悟天、トランクスが出場する中、銀河戦士ボージャック一味が乱入。悟飯は父のいない世界で、新たな覚醒を果たす――。
見どころ
悟飯の単独主役作として人気が高い。スーパーサイヤ人2への変身シーンは劇場版ならではの迫力。父の遺志を継ぐ息子の戦いに胸が熱くなる。
第11位 ドラゴンボールZ 超サイヤ人だ孫悟空(22.1億円/1991年)
あらすじ
地球を破壊する巨大な彗星が接近する中、謎の宇宙戦士スラッグが襲来。ドラゴンボールを集め、永遠の若さを手に入れたスラッグは「超ナメック星人」として地球を征服しようとする。悟空たちは地球と仲間を守るため、命を懸けた闘いに挑む。
見どころ
「超サイヤ人」誕生を先取りするかのような覚醒演出が印象的。スラッグの巨体と悟空の激突シーンは当時の作画技術の粋。悟飯の笛による逆転劇など、少年漫画らしいドラマ性も高い。
第12位 ドラゴンボールZ 復活のフュージョン!!悟空とベジータ(21.6億円/1995年)
あらすじ
地獄のエネルギーが暴走し、悪党たちが次々と蘇る。地球を混乱に陥れる中、悟空とベジータはあの世で再会し、最強の敵ジャネンバと対峙する。勝ち目のない戦いの中で二人が選んだのは――伝説の「フュージョン」だった。
見どころ
初登場となる「ゴジータ」が全てを持っていく人気作。ポップなジャネンバのビジュアルと凶悪な変身後のギャップが強烈。幻想的な地獄の世界観やBGM演出も印象に残る。
第13位 ドラゴンボールZ 超戦士撃破!!勝つのはオレだ(19.0億円/1994年)
あらすじ
悟天とトランクスがドラゴンボールを探す旅の途中で、強力な敵・ブロリーが再び出現。怒りに我を忘れたブロリーに対し、幼い二人は奮闘する。果たして地球を救う鍵は何なのか。
見どころ
ブロリー三部作の最終章。悟天&トランクスが主役となり、コミカルさと緊張感が共存する独特のテンポ。最終決戦で悟空が一瞬現れるシーンはファン必見。
第14位 ドラゴンボールZ この世で一番強いヤツ(10億円/1990年)
あらすじ
氷の中から蘇った天才科学者Dr.ウイロー。悟空の肉体を奪い、究極の戦士を作り上げようとする。悟空・ピッコロ・悟飯が挑むのは、人間離れした頭脳と機械の融合体だった――。
見どころ
科学と肉体、理性と本能というテーマが描かれる初期Z映画の傑作。悟空とピッコロの共闘が初期ファンにはたまらない要素。機械要塞での戦闘描写は当時のアニメ技術を超えた迫力。
第15位 ドラゴンボールZ 龍拳爆発!!悟空がやらねば誰がやる(10億円/1995年)
あらすじ
封印を破られた伝説の魔物ヒルデガーンが地上を破壊する。悟空、悟飯、悟天、トランクスが立ち向かうが、その圧倒的な力の前に次々と倒れていく。全てを賭けた悟空の「龍拳」が、最後の希望となる――。
見どころ
悟空の必殺技「龍拳」初披露作。ヒルデガーンの巨大さと絶望感が際立つ演出が印象的。悲劇的な少年タピオンの物語もファンの涙を誘う。シリーズ屈指の感動作。
第16位 ドラゴンボール 魔神城のねむり姫(8.5億円/1987年)
あらすじ
悟空とクリリンが武天老師の弟子入り試験として「ねむり姫」を探す旅に出る。吸血鬼伯爵ルシフェルが支配する魔神城を舞台に、コミカルかつホラーな冒険が展開される。
見どころ
アクションとギャグ、そしてホラー要素が見事に融合した初期ドラゴンボール映画の名作。幼少期の悟空たちの可愛らしさと、冒険のワクワク感が詰まっている。
第17位 ドラゴンボールZ(8億円/1989年)
あらすじ
ピッコロ大魔王の再来を目論むガーリックJr.が地球を襲う。悟空は悟飯をさらわれ、ピッコロと一時的に共闘することに。永遠の命を求める悪の野望を阻止する戦いが始まる。
見どころ
「Z」シリーズ第1弾映画。悟飯の潜在能力が初めて描かれ、後のZシリーズの方向性を示す重要な一作。ピッコロとの共闘という新しい関係性の始まりにも注目。
第18位 ドラゴンボール 神龍の伝説(8億円/1986年)
あらすじ
悟空とブルマがドラゴンボールを探す冒険の途中、ギャルのプーアルやウーロンら仲間たちと出会う。やがて悪の皇帝グルメスと対決し、初のドラゴンボール願いが叶えられる。
見どころ
記念すべき劇場版第1作。原作初期の冒険感をそのまま映画にしたような構成で、シリーズの原点を知るには欠かせない一本。少年期悟空の無垢な強さが魅力。
第19位 ドラゴンボールZ 地球まるごと超決戦(8億円/1990年)
あらすじ
地球の反対側に存在する「ツフル星」の生き残り・ターレスが襲来。悟空に瓜二つの容姿を持つ彼は、邪悪な木「神精樹」を地球に植え、惑星を侵食していく。悟空は地球を救うため最後の闘いに挑む。
見どころ
悟空の「もしも闇堕ちしたら」を体現したような敵キャラ・ターレスが最大の魅力。悟飯との親子愛、地球の自然エネルギーといったテーマ性も高い評価を受けている。
第20位 ドラゴンボール 摩訶不思議大冒険(6.5億円/1988年)
あらすじ
天下一武道会に参加した悟空が、謎の少年・餃子と出会う。裏では桃白白と鶴仙人が陰謀を巡らせ、世界征服を狙っていた。悟空は再び立ち上がる――。
見どころ
中国神話をモチーフにした世界観と、格闘バトルの融合が見事。コミカルなテンポと熱い師弟関係が絶妙で、初期シリーズの集大成的な作品。
第21位 ドラゴンボール 最強への道(6億円/1996年)
あらすじ
ドラゴンボール誕生10周年を記念して製作されたリメイク版。原作初期の悟空とブルマの出会いからピラフ大王との対決までを、美しい作画で再構成。悟空が成長し、仲間を得ていく物語が改めて描かれる。
見どころ
リブート作品として原点を丁寧に再現。セル画からデジタルへと移行する時期のため、作画・色彩が非常に鮮やか。悟空とブルマの旅路を懐かしさと共に再体験できる。
映画ドラゴンボール歴代興行収入ランキング【早見表】
| 順位 | タイトル | 興行収入 | 公開年 |
|---|---|---|---|
| 1 | ドラゴンボール超 ブロリー | 40億円 | 2018年 |
| 2 | ドラゴンボールZ 復活の『F』 | 37.4億円 | 2015年 |
| 3 | ドラゴンボールZ 神と神 | 29.9億円 | 2013年 |
| 4 | ドラゴンボールZ 激突!!100億パワーの戦士たち | 27.2億円 | 1992年 |
| 5 | ドラゴンボールZ 極限バトル!!三大超サイヤ人 | 25.5億円 | 1992年 |
| 6 | ドラゴンボール超 スーパーヒーロー | 25.1億円 | 2022年 |
| 7 | ドラゴンボールZ 危険なふたり!超戦士はねむれない | 24.7億円 | 1994年 |
| 8 | ドラゴンボールZ とびっきりの最強対最強 | 23.8億円 | 1991年 |
| 9 | ドラゴンボールZ 燃えつきろ!!熱戦・烈戦・超激戦 | 23.3億円 | 1993年 |
| 10 | ドラゴンボールZ 銀河ギリギリ!!ぶっちぎりの凄い奴 | 22.3億円 | 1993年 |
| 11 | ドラゴンボールZ 超サイヤ人だ孫悟空 | 22.1億円 | 1991年 |
| 12 | ドラゴンボールZ 復活のフュージョン!!悟空とベジータ | 21.6億円 | 1995年 |
| 13 | ドラゴンボールZ 超戦士撃破!!勝つのはオレだ | 19.0億円 | 1994年 |
| 14 | ドラゴンボールZ この世で一番強いヤツ | 10億円 | 1990年 |
| 15 | ドラゴンボールZ 龍拳爆発!!悟空がやらねば誰がやる | 10億円 | 1995年 |
| 16 | ドラゴンボール 魔神城のねむり姫 | 8.5億円 | 1987年 |
| 17 | ドラゴンボールZ | 8億円 | 1989年 |
| 18 | ドラゴンボール 神龍の伝説 | 8億円 | 1986年 |
| 19 | ドラゴンボールZ 地球まるごと超決戦 | 8億円 | 1990年 |
| 20 | ドラゴンボール 摩訶不思議大冒険 | 6.5億円 | 1988年 |
| 21 | ドラゴンボール 最強への道 | 6億円 | 1996年 |
映画ドラゴンボール時代ごとのヒット傾向まとめ
【第1期:黄金期(1986〜1996)】
代表作
『神龍の伝説』(1986)/『摩訶不思議大冒険』(1988)/『燃えつきろ!!熱戦・烈戦・超激戦』(1993)など
主な特徴
- TVアニメ『ドラゴンボール』『Z』の放送と並行して毎年のように新作が公開。
- 公開時期は春休み・夏休みが中心で、東映まんがまつりの目玉作品として定着。
- 映画オリジナルの敵キャラ(ターレス、クウラ、ブロリーなど)が人気を博し、後のゲーム・グッズ展開でも定番化。
興行的傾向
- 当時の入場料金を考慮すると、興行収入はおおむね10〜20億円規模。
- 子ども中心のファミリー層+テレビ視聴者がメインターゲット。
- 海外公開はほとんどなく、国内完結型の興行構造。
評価
テレビアニメの全盛期に合わせた短編映画スタイル。
「ブロリー」「クウラ」など劇場オリジナル人気キャラがシリーズの伝説に。
【第2期:低迷と休止期(1997〜2012)】
代表作
『ドラゴンボール 最強への道』(1996)
主な特徴
- TVアニメ『GT』の終了とともに、映画シリーズも一時的に幕を閉じる。
- 90年代後半〜2000年代前半は、ドラゴンボール映画の“空白期”。
- ファン層の高齢化とアニメ映画市場の縮小により、製作本数が激減。
興行的傾向
- 『最強への道』の興行収入は約8億円前後と、シリーズ最低水準。
- ただしリメイク的な内容と完成度の高さが一部ファンに支持され、後年“隠れ名作”と再評価。
評価
休止期ながら、後の復活へ向けた「最後のピース」となる存在。
新世代アニメ技術への橋渡し的作品。
【第3期:復活期(2013〜2015)】
代表作
『神と神』(2013)/『復活の「F」』(2015)
主な特徴
- 17年ぶりの新作『神と神』がシリーズ復活を告げる。
- 神の領域(ビルス、ウイス)や超サイヤ人ゴッドなど、新設定が話題に。
- 声優・スタッフの続投により、懐かしさと新しさを融合。
興行的傾向
- 『神と神』:興行収入 約29億円
- 『復活の「F」』:興行収入 約37億円
- ドラゴンボール映画史上、過去最高の興行を更新。
評価
ドラゴンボール人気の再燃期。
旧世代ファン+新規海外層を巻き込み、シリーズが再び社会現象へ。
【第4期:世界進出期(2018〜2022)】
代表作
『ドラゴンボール超 ブロリー』(2018)/『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』(2022)
主な特徴
- 海外同時公開・世界配信を意識したグローバル展開へ移行。
- 映像クオリティが劇的に進化し、アクション演出・作画技術が世界的評価を獲得。
- 『スーパーヒーロー』では初のフル3DCG表現に挑戦。
興行的傾向
| 作品名 | 日本興行収入 | 世界興行収入 |
|---|---|---|
| ブロリー(2018) | 約41億円 | 約135億円 |
| スーパーヒーロー(2022) | 約26億円 | 約138億円 |
海外(特に北米・中南米)での人気が爆発的に伸び、世界トータル興行収入では過去最高を更新。
評価
ドラゴンボールが日本発・世界級ブランドとして確立。
海外ファンの劇場動員がシリーズを牽引する時代へ。
【第5期:次なる進化期(2025〜)】
代表作(噂)
『ドラゴンボールDAIMA』を経て、新作劇場版が計画中。
主な特徴(予想)
- 新世代アニメファンに向けたデジタル配信と劇場展開のハイブリッドモデル。
- 海外同時公開を前提としたマーケティング。
- 悟空・ベジータ世代から次世代キャラ(パンや悟飯)への継承路線が主軸になる可能性。
興行的傾向(展望)
- 前作『スーパーヒーロー』を超える世界興行を狙う動き。
- 映像技術+物語の深みで“令和のDB映画”として新たなフェーズへ。
評価
アニメ映画界の国際化におけるリーダー的存在へ。
40年の歴史が再び新章を迎える。
まとめ:数字が語る“ドラゴンボール”の軌跡
『ドラゴンボール』劇場版シリーズは、1986年の『神龍の伝説』から始まり、40年近くにわたり日本アニメの金字塔として走り続けてきました。
初期の冒険ファンタジー路線から、Z時代の超戦士たちの激闘、そして「超」シリーズによる神の領域の戦いまで——。
そのどれもが、その時代を生きるファンの心を掴み、スクリーンの中で“悟空たちの進化”を映し出してきました。
興行収入の推移を見ると、ドラゴンボール映画は単なる子ども向けアニメではなく、時代とともに成長し続ける世界的ブランドへと変化しています。
2010年代以降は世界興行でも圧倒的な成果を上げ、2020年代には「世界同時公開」が当たり前となる時代へ。
地球最強のアニメとして、ドラゴンボールはこれからも進化を止めることはないでしょう。
興行収入の記録は、数字でありながらも「ファンの愛の証」。
悟空、ベジータ、悟飯、ピッコロ、ブロリー——彼らの戦いがこれからも劇場を熱くし続けます。














